Ingressはゲームではありません。
世界や人と人の繋がりを広げる手助けをしてくれるツールです。
いかに楽しいIngressといえど、それを自慰的な充足を得るだけの道具に留めてしまうのは、あまりにも貧しい話です。
そうしないための合言葉は「みんなで遊ぶ」。
我々チーム16号は、そのモットーを胸に、毎日をアノマリー化して世界で一番面白おかしくIngressを遊ぶ集団を目指してきました。
そしてそのモットーに飽き足らなくなった我々は、さらなる高みを追求することにしたのです。
すなわち「もっとみんなで遊ぶ」。
多摩地区には多摩新選組、ルート16、八王子HOと、非常に強力で活発なコミュニティがそれぞれに存在しています。
だがその足並みは決して揃っているわけではありません。
強力な分、それぞれに我が強い3チーム。足並みを揃えようとしても、
「じゃあみんなで法被を着ようよ」(新撰組)
「いいや、黒人みたいなカッコをしようよ」(ルート16)
「どっちもやだよ!」(八王子HO)
と、互いに譲り合えない深刻ないがみ合いが生じてしまうのです。
しかし緑の方に「内輪揉めしている場合じゃないだろ!」と怒られて目が覚めました。
着るもののことはとりあえず脇に置いとこうと、日本史で例えると薩長同盟のような歴史的和解が成立し、このたび「もっとみんなで遊ぶ」精神のもとに、ついに共同作戦が展開される運びとなりました。
今回の作戦のテーマは、星になって帰ってきたルート16の頭脳、くじらさんの慰労。
そのために巨大CFの頂点には、くじらさんが大好きな温泉スパ「瀬音の湯」近くのポータルが選ばれました。
大浴場に見立てたCFにくじらさんや、たまたま居合わせたENLのみなさんや、ラ・フェスタを訪れた人たちに浸かっていただき、体の芯まであったまってもらおうという趣向です。
神々しいおにぎりに元気づけられた各チーム選りすぐりの精鋭が集結したこの作戦。
だが自前のアノマリーにも、やはりハプニングは付きものです。
頂点に向けて展開した舞台が遭遇したのは、ポータル近くの暗闇で血を流して昏倒する男性の姿。
だが多摩RESはどんな危機的状況にも対処できる経験を積み重ねた精鋭です。
即座に男性の介抱に向かったのは、八王子レジェンドのヤマサンでした。
男性を救命機関に引き渡すために現場に残るヤマサン。作戦からの離脱は痛いですが、しかしこればかりは仕方がありません。
レジェンドの離脱をものともせず着々と作られる背骨。だがここで新たなハプニングが。
「瀬音の湯」の営業時間は22時で終了してしまうのでした。これではくじらさんにゆっくりあったまってもらえません。
だが多摩RESはどんな危機的状況にも対処できる経験を積み重ねた精鋭です。
各々自宅の給湯温度を適温に変更する機転により、我々はこの危機を見ごと乗り越えたのでした。
思わぬハプニングに多少手惑いはしましたが、日付が変わる時間には見ごと慰労CFが完成。
混成軍団で成し遂げたこの作業、感慨もひとしおです。そしてなぜかこの作戦は、事後的に「オペレーション給湯温度」と命名されることになったのでした。
これで無事終了……、と思ったらハプニングはまだまだ待ち構えておりました。
それも「瀬音の湯」付近に展開していた八王子のバルチャーさんが、深夜の山中で野生の猪にガンを飛ばされるという、かなりシャレにならない事態です。
だが多摩RESはどんな危機的状況にも対処できる経験を積み重ねた精鋭です。
バルチャーさんが猪を素手で撃退するのに、さほどの時間はかからなかったのでした。
わずか3時間の作戦遂行中に山のようなハプニング。
我々にとっては、NIAが企画してくれるものだけがアノマリーではありません。我々の行動する先がすべてアノマリー、毎日がアノマリーのような刺激的な日々なのです。
さあ、このオペレーション給湯温度を皮切りに、次回こそはみんなで黒人みたいなカッコをして面白おかしくガンバるぞ、オー!